忘れてしまう前に、

25年ぶりに、生まれ育った牛久へ行ってきた。

自分ちがあった場所。

そして幼稚園と小学校。

もう25年も経ってるともう自分の中で幻の様な場所で

でも当たり前にそこはあった。

25年。

故郷、と呼ぶほどの場所ではないと思っていたけど、

何故か世田谷よりも、横浜の今の実家よりも、牛久が自分の家な感覚がすごくあって。

たまに夢に出てきたり。

好きだった、家。

物心ついたときから、小学、中学、高校までいたから子供から大人になるまでの思い出ががたくさん。

やはり自分にとっては故郷はここだ。

ほんっっっとに

懐かしくて

道が、景色が。

あらゆる細かい記憶がどんどん蘇ってくる。

今、旅が終って帰ってきてもまだ記憶の扉が開き続けて

当時の景色も、家の細かい部屋まで鮮明になって思い出してきた。

音とか感触とか

色んな歳の色んな感情まで。

家族、というものをここで感じて育ったんだなと、温かみを感じる。

お風呂の追い焚きしすぎて（当時は自動じゃなかった）火傷しなくて良かったと必死になっていた母を見て愛を感じたこと。

トンボを捕まえて水槽に入れて逃さなきゃいけないんだと泣いたこと。

カタツムリを踏んづけて生き物を殺してしまった靴を履けなくなってしまったこと。

何処かの家から逃げてきたインコが家の窓ガラスにぶつかってきたこと。

飼っていた熱帯魚。ネオンテトラ、グッピー、金魚、タニシ。

ママに怒られて、外に出されて、泣いていたこと。

エレクトーン教室に行きたくなくて引きずられながら泣いて行ったこと。

ぷーくんと作った雪だるま。雪うさぎ。

怖かったかまくら。

階段に並べた大量のうさぎのぬいぐるみ達。

ねーちゃんと作った人参大根の歌。

子供用滑り台。

鉄棒。

グレーのお茶かなんかの箱の宝箱。

土粘土とビー玉。

おもちゃの青とゴールドのペンダント。

狭い物置部屋を自分の部屋に改良して秘密基地的にして喜んでたこと。

ぷーくんの部屋の日本人形が怖くて雨戸閉めにびくびくしてたこと。

机に書いたら跡が残っちゃったバカの文字。

リビングの模様替えを良くしてたこと。

鳩時計。

赤いアナログなテレビ。

ダイニングテーブルと椅子の感触。

リビングのソファを組み合わせて基地を作る遊び。

庭に生えてたドクダミでドクダミ茶ごっこした香り。

グミの木。

庭でやったバーベキュー。

外食と言えば近くの寿司屋でタマゴ、イクラ。焼肉屋のサラダが好きだった。ユッケとクッパ。

あとロイホ。

近所に沢山生えてた木苺の味。

もぐら。

つくし。

黄色い野花。

好きだった庭のドウダンツツジと鈴蘭。

紫陽花、沈丁花、福寿草

赤いボケ、

あと何だっけな。白い、雪柳だ。

隣の空き地の踏み心地。とコオロギ。スズムシ。

一輪車乗るのにつかまってた電信柱。

夏祭りの盆踊りしてた集会所。

だめって言われてたのにこっそり行ってた駄菓子屋。

流行りのロケット鉛筆を必死で探しに行ったこと。

好きな人と目があった道の角。

受験勉強しながら聴いてたスピッツと空の月。

ゆず歌いながらチャリ爆速で走らせた坂道。

強面の人がいたから狭い道通ったら指を切ったこと。

車で後ろから玉突きされた時のこと。

ちえちゃん。

牛久に来るまでずっと忘れてた。

懐かしすぎて

切なすぎて

忘れたくなくて。

またどんどん薄れてしまう。哀しい。

なくなってしまうことはないけど

もう戻ることはないし

どんどん時は過ぎて

いつかママとぷーくんとの別れもくる。

だから帰ったら二人に牛久の話をしよう。

ねーちゃんにも。

自分だけの大切な大切な心の中の思い出を

消さないようにいたい。

自分は幸せだったんだな。

幸せなんだな。

感謝。

ここにまだ生かされていること。

感慨深すぎる。

大切な箱を久々に開けて思い出すことができて良かった。

そして今も大事にしなきゃなと思う。

ありがとう、牛久。